健康・長寿・老化のキー テロメア、瞑想でテロメアを守りましょう。
テロメアを通して生物学的年齢や健康寿命を知ることができます。
人間を構成する最も小さい単位は細胞で、このような小さな細胞が集まって人間が作られます。
人間という個体を維持し、回復し、成長するために、一つの細胞が二つになり、二つが四つになる「分裂」という方式で自分と同じような細胞を作り出します。 これを「細胞分裂」と言います。
細胞の染色体の両端にテロメアという部分がありますが、テロメアは染色体を保護するための保護キャップのようなものです。 例えば、靴紐の両端にあるプラスチックキャップのようなものです。
靴紐を使えば使うほど、端の保護キャップも磨り減っていくように、テロメアも細胞分裂しながらどんどん短くなっていきます。
細胞が分裂するほど、どんどんすり減って短くなり、一定の長さ以下に短くなると、細胞は分裂できずに老化して死に至ります。
このように人間の細胞は、限りある回数だけ分裂した後、細胞寿命の限界になります。
それでテロメアの長さを測定することで人間の細胞の年齢、すなわち身体の年齢を測定することができます。
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人の年齢が中年くらいになると実際の年齢より若く見える人もいるし、あるいは自分の歳より老けて見える人がいますが、それはテロメアの長さと関連があります。
なぜ人によって老化の程度は違うのでしょうか。
このような老化の秘密を持っているテロメアは
エリザベス・H・ブラックバーン (カリフォルニア医大)、キャロル・W・グライダー (ジョンズ・ホプキンス医大)、 ジャック・W・ショスタク (ハーバード医大)、3人の科学者によって発見されました。
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この発見は人間の老化を遅延させて寿命を延長することができるという画期的な出来事でした。そしてこの研究は2009年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
研究チームによってテロメアの長さを伸ばすテロメラーゼという酵素があることも明らかになりました。 テロメラーゼは細胞分裂の時に消えてしまうDNAを復元する役割をします。テロメアはテロメラーゼを通じて再生されるということです。
もしテロメアの長さを現在のまま維持したり、またはもっと長くすることができれば、老化を遅らせることができるということです。
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しかし、ブラックバーン博士は、残念ながらテロメラーゼの研究はまだ「両刃の剣」のようだと言っています。 因果的にテロメラーゼを活性化させると癌細胞まで活性化する恐れがあるので、まだたくさんの研究が必要だそうです。
そして、ブラックバーン博士とある心理学者との偶然の出会いから、研究は新しい局面に入りました。ブラックバーン博士の研究室を訪れたエリッサ・エペルという心理学者は、慢性的なストレスを持っている人たちのテロメアについて興味がありました。エリッサの質問に好奇心がわいたブラックバーン博士は、早速エリッサと一緒に研究を始めました。
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20~50歳の女性のうち、子育てをしている62人を選定して、その中で子供が健康なグループと子供が慢性的な疾患を持っているグループに分けて、数年間お母さんたちのストレスレベルとテロメアの長さ、テロメラーゼの活性、そして酸化ストレスなどを分析して細胞の老化速度を研究しました。
その結果、2つのグループ全て、ストレスが大きければ大きいほど 、細胞の老化速度とテロメアの短縮速度が速くなり、ストレスをたくさん受けたお母さんたちのテロメアは9~17年くらいより歳をとったように短くなっていました。 つまり、激しいストレスが長期間にわたって続くと、私たちのテロメアはさらに短くなるということです。
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ところで、この研究で一つの不思議な事実が発見されます。 同じストレスの状況でも、ある女性はテロメアの長さが短くならないで、うまく保たれたのです。 その理由は一体何なんでしょうか?
この疑問を解消するために、継続的な研究と一万冊にわたる関連論文や統計を分析したブラックバーン博士は、テロメアの短縮は人間がどうすることもできないものではなく、自ら調節でき、それは自分の人生や状況にどんな心の姿勢で向き合うかということにある結論づけました。
それは自分に迫りくるストレスをどんな風に受け止めるかという違いでした。
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また、UCLA(University of California, Los Angeles)で行う研究の中では、認知症がある家族のケアを長い間やってきた人たちの中で、規則的に瞑想を続けてきた人たちのテロメア維持能力が増加したことを発見しました。
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人がストレスを受けた時に2つの反応があります。
一方は怖さ、不安などを感じる「脅威反応」です。 [脅威反応]はまだ起きてない悪い結果までも妄想してしまいます。
もう一方はストレスに対しての[チャレンジ反応]を示します。 [チャレンジ反応]はストレスを受ける状況になると「やってみよう!」とぶつかってみます。おそらく成功した人たちは、混乱に直面した時にこんな風に対処したと思われます。
このようにチャレンジ反応を見せたグループのほうが、そうでないグループに比べてテロメアがより長かったそうです。
人生を送る中で、自分に来る条件をどう受け止めるかによって、自分のテロメアが保護でき健康寿命も延ばすことが可能だということです。
感謝してポジティブに考えたら仕事がうまくいって、体も元気になったという話がありますが、このような肯定的なエネルギーがあるからではないでしょうか。
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21世紀に入り、瞑想は現代人のストレスの解消や肯定的な思考のための最強の方法として知られています。
既に多くの論文でストレスを減らすことと同時にテロメアを長くするライフスタイルとして瞑想をおすすめしています。 体と心の元気を取り戻してテロメアを守る唯一の方法は、瞑想を規則的にすることだと力説する人もいます。
瞑想のトレーニングがストレスを減らし、テロメアを補充する酵素であるテロメラーゼを刺激し、さらにテロメアの成長にも役立つという実証的根拠は、様々な資料からご覧になれます。
最近の研究では、瞑想とテロメアの長さ、そしてテロメラーゼの増加との肯定的な関連性を示すことで、瞑想が健康と長寿に重要な役割をするということを示唆しています。
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若々しく健康的に長生きする秘訣は高い薬ではなく、結局自分の実践にかかっています。
テロメアを短縮させるストレス要因を避け、テロメアの損失を予防し、むしろ長くする方法を積極的に実践すれば良いのです。
ブラックバーンの話のように、老化のバロメーターであるテロメアは自分で調節でき、その鍵は各自が持っているのです。