新しい1年のスタートラインに立つ時、私たちはいつも決心をします。
禁煙、ダイエット、貯金、語学の勉強など、これまで後回しにしてきた課題を、今年こそは実践すると宣言をするのです。
ところが初日の決心は3日を過ぎるとすぐ崩れてしまいます。いわゆる3日坊主です。
「いま一本だけ吸って、明日から禁煙にしよう」「今日は運動を休むけど、明日は絶対にやるぞ」
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このように未来に対するぼんやりとした期待と楽観主義は怠け癖をいっそう強めてしまいます。だからといって「私はもともと意志が弱くて怠け者だから」と自分を批判することは無意味です。自分を批判をすると落ち込んでストレスを受けて無駄なエネルギーを使ってしまいます。
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自分の意志力のせいにするのではなく、人間の元々の特性を理解し、誰もが意志力を高めることができるんだということを前向きに捉えることに意味があります。
自分を認め、許すことで、失敗の原因をじっくりと振り返るようになり、他人のアドバイスも喜んで受け入れることができるようになります。
あまりにも楽観的で膨大な計画は捨てて、少しずつ心から変えて、自分自身を省みる時間を重ねると持続的で実質的な変化を得ることができるようになります。
参照図書「なぜ私はいつも決心ばかりするんだろう」ケリー・マクゴニガル
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行動を続けた場合の結果をまず考えましょう
行動経済学者のハワード•ラクリンは、「今やるべき事を後回しにしてしまう癖」を解決するには、行動を禁止させるのではなく、続けた場合にどんな結果が出るかを考えさせるべきだと話します。
例えば、タバコを減らすよう強要するより、毎日10本だけのタバコを吸うように指示すれば、喫煙者は自ら喫煙量を減らしていくことになるそうです。
「明日から変わる」という考えだけに頼っていた喫煙者が、毎日同じ数のタバコを吸うように指示されると、タバコを吸うたびに、今日も、明日も、6カ月後にも、自分が体によくないタバコを吸い続けていることに気付くのです。
だから「今タバコを吸いたいのか?」より「これからも毎日10本のタバコを吸い続けたら、その結果はどうなるだろう?」と自問自答する方が禁煙に効果があります。
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5分の運動で意志力を充電しましょう
意志力を早く充電したい時に効果的な方法は「5分グリーン運動」です。グリーン運動とは、外に飛び出して大自然の緑の中で行うすべての身体活動をいいます。
長時間、汗を流しながらきつい運動をするより、気分転換にもっと強力な効果を発揮します。好きな音楽を聞きながら軽く歩いたり、犬の散歩をしたり、庭の手入れをしたり、新鮮な空気を吸いながらストレッチをしたり、楽しくスタートすれば、何でも意志力の充電に良い効果があります。
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意志力を高めたいなら寝ましょう
寝不足になると、身体と脳を構成する細胞がブドウ糖を十分に活用できず、エネルギー供給が円滑に行われず体がだるくなってしまいます。 ストレスをコントロールし、欲を抑える機能がある脳の前前頭葉皮質が、本来の機能を果たせなくなり、誘惑の影響を受けやすくなるのです。 そのような時は、甘い物やカフェインを摂取しても、糖分をエネルギー化することができません。
しかし、睡眠不足に苦しめられた人も、一晩でもじっくり眠れば前前頭葉皮質の傷はほとんど回復するという事実があります。もし、1週間、睡眠不足に苦しんでいたら、週末に十分な睡眠を取ったり、昼寝をしたりすることで集中力と自己節制力を回復することができます。
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禁止ではなく肯定的な行動がポイント
ケベックのラヴァル大学の研究陣は「必ず食べなければならないこと」に焦点を合わせた独特なダイエット実験を進めてきました。ダイエットをする上で禁止すべき食品を言わず、カロリー制限についても強調しません。ただし、健康のために何ができるかを考えてみるように勧めます。
その結果、参加者のうちの3分の2の人は、実験後、16ヵ月間体重が減り続け、また、減った体重も維持できたのです。それだけでなく、プログラムを終えた後、食べ物への欲も減り、ストレス状況でも自制力を失わうことはなかったのです。
つまり強要されないことで、むしろ自制力が高められたということです。コーヒーを我慢する代わりにお茶に関心を持ったり、遅刻しないと決心するより、5分早く着くようにと目標を変えることの方が、はるかに效果的なのです。
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