事務室を見渡してみると、机の上が散らかっている人が一人くらいは居るはずです。
書類があふれ、本が積み重なり、お菓子の食べかすやコーヒーカップなどが散乱して机のスペースがなくなっている人は、その環境のせいで集中力が欠けてしまい、仕事にも没頭できなくなります。
また、何かを探すのに時間と労力がかかってしまい、仕事でミスをするようになります。一方で、毎回、仕事の後に机の周りを整理している人は、生産力や創造力があり、仕事に対する満足度が高いです。
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それは、仕事が始まる前に、たまった書類を片付ける労力を使う必要がないため、心に余裕ができるからです。また、机の周りが整理されていると、今やるべきことは何なのかが、より明確になります。
最近、大企業が業務の効率化を目指して、机の周りを整理するように推進しているのも、この理由です。
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アメリカの心理学者キャサリンタギットが研究した結果、散らかっている環境で働くと心拍数が増えて血圧が高まり、頭痛、肩こりが起こりやすくなり、また、精神的にも不安になり、同僚や部下に対して怒りやすくななる(不機嫌な態度をとる)という結果が明らかになりました。
整理整頓された机の周りというのは、すなわち、落ち着いたきれいな精神状態をあらわしています。
毎日、机の周りを5分、整理整頓するだけでも、性格が前向きに明るくなり、現在のことに最大限の力を発揮することができます。
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書類の整理は段ボール一箱で終わらせます
書類は頭の中で考えていることを紙に表現したものです。
つまり、要らない書類を捨てるということは、要らない雑念を捨てることにつながり、集中力を高めるための手助けになります。
①使い終わった文房具や郵便物やメモは頻繁に捨てる。
②大事なメッセージはひとつのノートに整理して定期的にパソコンに保存する。
③書類は要るものと要らないものを区分し、要らないものは捨てる。あいまいなものは保留の箱を作り、一旦その中に入れて数ヶ月後に捨てる。
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増え続ける名刺や過去を捨てる
大事な人脈であるはずの名刺を散らかして机の隅に放って置いているというのは人間関係を大事にしていないことのあらわれです。
名刺の数だけに着目し、それを自分の実力だと勘違いしていないかどうかを振り返ってみましょう。
誰だったか思い出せない名刺はすぐに捨てましょう。さらに、その人と結び付いている成功と失敗の記憶も一緒に捨てることで、新しい出会いを充実させることができます。
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整理整頓の際に忘れがちな(死角となる)パソコンの中も空っぽにしましょう
パソコンの中は机の周りと同じように頭の中の状態をそのままあらわしています。パソコンの動きが遅いのはパソコンのせいだとせめる前に、デスクトップ上でフォルダやファイルが散らかっていないか確認してみましょう。
自分なりに時間を決めてハードディスクを整理すると、速度のはやい状態でパソコンを長持ちさせることができます。
判断に迷うファイルは、紙の書類と同じように、一旦保存のフォルダ(箱)を作り、その中に入れて、数ヶ月後に捨てます。要らないファイルを捨てるだけで頭の中がすっきりして、仕事の負担が軽減したように感じられます。
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①デスクトップのアイコンはパソコンの速度を遅くする原因になるため、最小限にとどめる
②気に入らない写真、使わないソフトウェア、お気に入りは削除する
③ゴミ箱は、その都度、空っぽにする
④E-mailの返事はすぐにおこない、送信ボックスは空っぽにする。また、3ヶ月の間、読まなかったニュースレターやメールマガジンは通信を停止する
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緑の植物から得られる癒し効果
机の周りが整理整頓できたら、周りに緑の植物を置いてみましょう。日本とオーストラリアの心理学者たちが、仕事の環境と創造力の関係を研究した結果、机の周りに植木鉢を置くと、創造力が15%アップすることが証明されました。
植木鉢を置くことができない場合は、昼休み中に生きた植物を見ながら休憩するのも効果があります。
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参考文献
舛田光洋(ますだみつひろ)[「そうじ力」で自分磨き]
カレン・キングストン [ガラクタ捨てれば自分が見える]