タンスには服が山ほどあるのに、毎日、「着る服がない!!」と嘆くことになる状況。多くの方々が一度は経験し、あるいは今も経験しているかもしれませんね。私たちにはなぜいつも着る服がないのでしょうか?その理由と解決方法について書いてみたいと思います。

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タンスとはすなわち自分の心理状態を指し示すもの。

服は私たちの意識や不満、願いが込められた、「第2の自我」と言っても過言ではありません。 また、タンスの中の現在の状態とはまさに、自分自身の心理状態を指し示しているものなのです。タンスを開けて、ダブダブの大きな服でいっぱいになっていたら、タンスの持ち主は「自分は太っているんだ・・・」と恥ずかしいという感情が無意識的に上がってくるかもしれません。多くの人は、自分が所有している服の20%ほどで日常生活の80%を過ごしています。

それなのに、なぜ着ない服をたくさん所有しているのでしょうか?

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いつかは必要になるはずだ・・・、思い出のつまった服だから・・・、高いお金を払って買った服だから・・・という様々な気持ち、着る服がなくなってしまったらどうしよう・・・という不安、まるで自分の一部が消えてしまうかのような恐怖感、そういったあらゆる心の状態をタンスはそのまま表しています。

「着る服がない!!」と嘆く状況になるのは、実際に服が足りないからではありません。自分はどんな服が好きなのか、どんな服なら自分を引き立たせてくれるのか、どういうスタイルで自分自身を見せていきたいのかなどの整理ができていないために、また、求めるスタイルはあるものの変わる勇気がないために起こる状況であると考えられます。

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そこで、タンスの整理をしてみてください。そうすることで、自分はどんなスタイルの服を着るのが好きなのか、自分の心の中に克服できていない恐怖があるのかどうか、今後どのように自分を形成していくのか、その方向性までもが見えてくるはずです。

着たら幸せな気分になる服、自信が持てる服、自分の長所を際立たせてくれる服…本当はそんな服を着たいはずです。

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そんな服を簡単に見つけるためには、着ないで溜め込んでおいた数多くの服を捨てなければなりません。「タンスの心理学」の著者ジェニファー・バウムガルトナー氏は「3分の2は捨てなければいけない」と言います。
この数字に驚く方も多いことでしょう。でも、実際に内面的な問題に悩んでいた人たちが、タンスの整理をしたことでそれらが解決していく姿を数多く見てきたからこそ、このように言うのです。

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服を捨てるための七つの心得

これからは、着たら幸せを感じ、自信が持てる服だけを残し、そのほかは捨てましょう!!とはいっても、着ていない服を捨てることは簡単ではありません。本当に捨てなきゃいけないの?? いつかまた着る機会があるんじゃない?? もったいない・・・。そのような葛藤にぶつかることもあるでしょう。そんな方のために「服を捨てるための七つの心得」を書こうと思います。

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  • まず第一に、2年以上一度も着なかった服は捨てることです。ずっと着ていない服を一ヵ所に集めておきます。 そして、着る服を決める際に、その中から選んでみます。 それでも、やはりその中から選ぶことができなかったら未練なくその服は捨てましょう。既にその服との縁は切れたのだと考えてその服を手放してください。

  • 第二に、いつか着ようと思ったまま捨てられなかった服や、以前は気に入って頻繁に着ていたのに最近は着なくなった服…そういった服を見て「私は今もこの服を着て出かけたいだろうか?」と自問してみます。もし「嫌だ」という答えが出た場合にはすぐに捨ててください。

  • 第三に、ひとつでも気に入らないところがあったら未練なく捨てることです。着なくなったのには必ず理由があります。 服をひとつひとつ細かく見ながら、どんな気分になるか自分を観察してみてください。 色や形、材質、裁断された形、生地の材料、体には合うけれどあまり似合わない服、何か一つでも気に入らない部分があったら未練なく捨ててください。

  • 第四に、サイズが合わない服は捨てることです。「ダイエットして、また着るから!!」 多くの人たちはダイエットするという理由で、以前の小さなサイズの服に執着します。 あるいはダイエットした後に着ようと思って、小さなサイズの服を予め買っておくこともあります。 しかし、このような計画はストレスを感じるだけです。 「何も捨てられない人」の著者カレン・キンストン氏はそんな方たちに「今、タンスの中にある服は全部捨てて、今の自分に一番似合う服を新たに購入する」という方法を提案しています。そうした人達こそ、結果的に痩せることになりました。理由は、ダイエットして痩せるまで待つのではなく、今のままの私の姿を認め、愛したからです。 あるがままの自分の姿を愛する、これは本当に効果的なダイエット方法と言えます。
  • 第五に、いつか特別な日に着るために・・・と残しておいた服も捨てることです。特別な日のために大事にしている服があると思います。 ところが、それが継続すると何年も着ないまま置いておくことになります。 そんなにも素敵で大事な服ならば今すぐ着てください。もしそれができない服なら捨ててください。

  • 第六に、幸せな思い出がある服でも、着ないなら捨てることです。大事な誰かが買ってくれた服、幸せな頃を思い出させてくれる服。でも、今は着ていないなら捨ててください。 過去の思い出のために捨てられないなら、自分自身が過去に縛られたままということになります。 幸せだった瞬間と感動はタンスの中ではなく、自分の中に残っていれば良いのです。 過去を捨ててこそ、前へ進むことができます。
  • 第七に、直して着られる服なら5日以内に直すことです。少しだけ直せば、満足のいく服になるという場合があります。 ところが、直すのを先延ばしにすると、結局、長い間、着ないままの服になってしまいます。 必ず5日以内に直しましょう。いつか直そうと思って再びタンスにしまい込んでしまったら、修繕費さえも、もったいないと思う服になるかもしれません。

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七つの心得の通りに整理を終えても、いつか捨てたことを後悔するのでは・・・、一気に捨てたけどこれから何を着たらよいのか・・・など、最初は不安や恐怖が出るのは当たり前です。 ところが、思いきって服を整理して捨ててみると、不安や恐怖は自分自身が作り出した虚像だということがわかるようになります。服に対する執着を無くすことこそが、不安や恐怖を無くす最善の方法なのです。

執着を手放して服を捨てれば、タンスを開けても「着る服が一つもない!!」と嘆くことはもうないでしょう。
そして、これからは服を通じて、自分自身を、自分の生活を、もっともっと素敵に作っていけることでしょう。

参照図書
「タンスの心理学」ジェニファー・バウムガルトナー
「何も捨てられない人」カレン・キンストン
「チームガンのウーマンスタイルブック」チームガン、ケイト・モロニー
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